今日はクリスマス。
お寺にクリスマスって不思議に思われる方もいらっしゃるでしょうね。

でも常光円満寺は、召されたお子さまへの贈り物としてクリスマスプレゼントがたくさん届くのです。
クリスマス前の地蔵堂は、親の愛情がいっぱい詰まったのプレゼントの世界に様変わり。
自然に天国で、はしゃぎまわる子供たちの姿が浮かんでまいります。

お参りにこられた方は、このプレゼントに包まれた地蔵堂をご覧になられてびっくりされていたと思います。中には「うわぁ~すご~い」とお声をあげて感動される方もたくさんおいででございました。

そんな中、私が何より嬉しかったのは、お参りくださる方の表情が笑顔でいっぱいなんです。きっと皆さんも天国で喜んでいる子供たちの姿を感じてらっしゃるんだと思います。
中には涙をされる方もいらっしゃいますが、ほとんどの方が笑顔の涙なんです。つまり、哀しみの涙ではなく、温かく優しい涙でございました。
子供だけでなく大人まで笑顔にさせるクリスマスってすごいですね。

外はとっても寒いですが、地蔵堂はたくさんの皆様方の親の愛情が感じられて、私の心はとても温かく過ごさせていただきました。

深い哀しみばかりだったお心が、年を重ねるごとに優しい笑顔でお参りできるようになっていくお姿は、見ていて美しいものでございます。
そんなお姿を見ると、水子さまも、いつまでも親の愛に包まれて、幸せなことだなぁって思います。

私は、皆様が流される涙は、決して哀しみの涙ではなく、温かい涙が自然と流れてくるような、そして前向きな気持ちになってくださることをいつも願って、真心込めてお供養させていただいているんです。そんな想いが通じて、次はあの子に笑顔でお参りにこよう、逢いにこようって思ってくれることが、私の大きな喜びなんです。

常光円満寺のお供養が、水子さまだけでなく、あなたにとっても思い出に残るすばらしいお供養になることを願って…。

副住職 藤田晃秀
暗い気持ちで街を歩いても、何もかもつまらなくなるものです。ところが、愉快な気持ちで街をあるけば嬉しい発見がたくさんございます。
見上げれば、美しい青空、見渡せば豊かな大地に色とりどりの草花、愛すべき人々、そして素晴らしい出来事に満たされていることに気づくでしょう。

召されたお子さまに「ごめんね」ばっかりのお祈りのときは、いつまでたっても心が癒されることはございませんよ。あの子の喜ぶ顔が浮かんでくることはないでしょう。

心の切り替えが大事でございます。

あの子を“悲しい存在”と思うのではなく“温もりある存在”と思うのです。たしかに、とても辛く悲しい経験をされましたけども、“悲しい経験”をしたから、“悲しい存在”だと思うことは大きな間違いでございます。悲しい存在と思われるとお子さまが可哀想でございます。

大切なことは、悲しい経験を乗り越えようとする勇気と、あの子はあなたを愛し優しく見守りくださる“温もりある存在”として思い描いく心の切り替えでございます。

そして、勇気をだして「ありがとう」って言ってみましょう。
「ありがとう」は、あなたの心を穏やかにしてくれる魔法の言葉です。
少しずつ、あの子の笑顔が浮かんでくるのではないかと思います。

前向きな気持ちになって、初めてあの子が教えてくれた贈り物を感じることができるのです。いままで感じることのなかった幸せや豊かな心を学ぶことが出来るのです。
私たちは大自然の恵みをいただき、大いなる感謝と喜びの世界に生きているのですよ。
「苦しくなったら、苦しみを味わえるだけ生きているんだと感謝した。うれしいときはまだ喜べるんだと、また感謝した。」

これは、有森裕子さん(元マラソン選手)が言われたお言葉でございます。

以前、私が足を骨折した時、整形外科の先生が教えてくださったことなのですが、同じ年齢でも骨折の治りの早い方と、なかなか治らない方がいらっしゃるそうなんです。
それには、それぞれには共通点があって、なかなか治らない方は、たとえば100メートル歩けるようになったときに、「先生、まだこれだけしか歩くことができません。」と否定的な言葉をいわれるそうでございます。
それに対して、治りが早い方は、100メートル歩けるようになったとき、「もう、こんなにも歩けるようになりました。」と感謝の気持ちを話されるそうなんです。

回復に向かっている時に、回復する身体に感謝の気持ちを持つことができるか、回復が遅いと否定的な気持ちになるかで、大きく運命を分けるんです。

冒頭に挙げたお言葉は、有森さんが94年11月に手術し、リハビリを経て、再スタートしたときのお言葉です。
そして96年のアトランタオリンピックで銅メダルを獲得したのでございます。
あの苦難を乗り越えて銅メダルを獲得した時、「はじめて自分で自分をほめたいと思います」と名言を残されました。

人生を輝かせる方法は、「ありがとうございます」という感謝の思い。

水子になってしまわれたことで、悲観的な気持ちでいれば、いつまでも心の傷は癒えないのでございます。
ところが感謝の気持ちを大切にすると心の傷は早く癒されることでございましょう。

人生に哀しみや苦しみがあるから、人の思いやりを感じたり、人にも優しくなれるのです。お子さまを亡くされた深い哀しみや苦しみは、あの子がご自身の心の成長を願ってお与えくださった試練なのですね。

『少しの時間でも親にさせていただいたことへの感謝』

『心の成長を願っての試練を与えてくださったことに感謝』

『温かく見守りくださるお子さまに感謝』

感謝の気持ちを持てば、心の傷は癒えやすくなりますし、あの子からの贈り物を感じることが出来るでしょう。
人生が、今まで以上に輝いてまいります。

『幸せだから感謝をするのではなく、感謝をしているから幸せを感じられる』

この気持ちを大切に、感謝の気持ちで今日もお過ごしくださいね。

副住職 藤田晃秀


本年も平日にも関わらず、多くの方にご参拝いただき本当に感謝しております。お供え物も、皆様方の想いの感じられるすばらしい贈り物ばかりでございました。中にはお供え物をお送りくださった方もいらっしゃり、本当にありがたく大切にお供えさせていただきました。
また、当日は参拝したくても、できなかった方も多くいらっしゃったことと存じます。皆様方の想いを大切にお地蔵さま、そして水子さまにお届けさせていただきました。

この度の法要は、例年の如く、お地蔵さまのお歌の奉納から始まり、ご詠歌の奉納、献灯・献花・献香、そして僧侶方による地蔵尊大法要、最後に山本陽子さんのお歌を皆様に聞いていただきました。

法要が終わった後、毎年お話をさせていただいているのですが、今年は貧しい生活をされている中で、心温まるお話をさせていただきました。そのお話の内容を少し紹介させていただきます。

広島に住んでおられる女性の方のお話なのですが、彼女は食べたい物を食べた思い出がなく、また買ってもらいたい物も買ってもらった思い出もないくらいとても貧しい暮らしをされてきたそうでございます

主人が初めて彼女の家に招かれて、「お嬢さんをお嫁にください」と言われた時、両親は「素晴らしいお婿さんに出会えて嬉しい、娘を幸せにしてください」と素直に喜んでくれました。
そして、父親が「実は、お前たちに渡したいものがあるから、ちょっと待ちなさい」と言って古いタンスの中から古くなった貯金通帳と印鑑を持ってきて、「これは私とお母さんがお前の結婚式の為に一生懸命貯めてきた貯金だ。是非ともこれを使って欲しい」と差し出されたのです。

本当に貧乏な家だったので貯金があることにびっくりされて、すぐに開いて確認すると、自分の家には想像できない大きな数字が書かれていたのです。他の家の人から見ればたいした金額ではないかもしれないけれども、最後には84万円という数字が書かれていたそうです。

彼女は「よくこれだけの貯金をできたものだ。」と感心しながら、その通帳を眺めているうちに、急に涙があふれて、声をあげて泣いてしまわれたそうでございます。
何故なら、1回1回の入金の金額が、150円以上の日が一度もなかったからです。35円とか、58円とか、最高でも142円しかなかったのです。その細かい数字が、ぎっしり並んだ最後の数字が84万円だったのです。
主人にその通帳を見せると、主人は「お父さん、お母さん、このお金は我々が使えるようなお金ではありません。お父さん、お母さんが自分の為に使ってください」と言って返したのですが、なかなか受け取ってもらえず、押し問答の末「じゃあ、孫の為の貯金として、もう少し楽しませてもらおうか!」となんとか受け取ってもらったそうです。

永い年月が経ち、両親もすでに亡くなったある日、主人が、「あの時見せてもらった貯金通帳を覚えているか?」と言われたので「覚えているよ」と答えると「お父さん、お母さんの温かい気持ちがつまったあのすばらしい通帳を我が家の家宝にしたい・・・。」と「何故なら、自分たちの子供にあの通帳を見せると、お前のお祖父ちゃんとお祖母ちゃんは、どれほどすばらしいお祖父ちゃんとお祖母ちゃんだったのか、一目で分からせることができるじゃないか。」と言われたので、すぐに実家へ行き家中を探したのですが、残念ながら見つからなかったそうでございます。
今では、心の中に想い出の貯金通帳として残り、子供たちにも語りつがれているそうでございます。

大切なことは額ではないのです。たとえ一回一回の貯金がどれほど小さくても、どれだけの思いがこもっているか、どういう思いで貯金をしているのか、ということのほうが大切なのだと教えてくださっているのです。
そして、この話を通じて私が皆様にお願いしたいことは“心の貯金”をしていただきたいということでございます。
仏教では追善供養という言葉がございます。追善供養というのは、召された方のために、生きている私たちが良い行い、つまり“心の貯金”を積み重ねていくお心のことでございます。
あの子の笑顔のために、どれほど小さくてもかまわないのです。困っている人がいたら、そっと手を差し出してあげる勇気をお持ちください。落ち込んでいる方がいらっしゃったら温もりある言葉をかけてあげてください。どのような方にでも優しいお心で接する親の姿はあの子にとっての喜びでもありますし、幸せでもございます。もちろん笑顔を心がけるだけでも良いのです。笑顔は周りを明るくする不思議な力がございます。
小さな心の貯金を積み重ねは、あの子にとって素晴らしい贈り物になるのです。また心の貯金の積み重ねは、幸せな人生を送るために大切な“豊かな心”を育てることのできるのでございます。
あの子の笑顔の為にも、これからも小さな心の貯金を重ねて、豊かなお心で毎日をお過ごしくださることを心より願っております。

最後に、この度の地蔵尊大法要も、多くの皆様の愛に包まれたすばらしい法要でございました。この皆様方の想いを大切に、これからも責任をもってお供養を勤めさせていただきます。
いつまでもお子さまたちの幸せな笑顔を願って・・・。
合 掌

副住職 藤田晃秀
わが子を失う哀しみは、女性にとって最も耐え難い哀しみであることは深く心得ております。この世から、すべての哀しみや苦しみがなくなると、どれほど素晴らしいことでしょう。

でも、よく考えてみてください。苦しみや哀しみのない世界は本当に素晴らしいのでしょうか?

決してそんなことはございませんね。

この世に苦しみや哀しみがあるから、人の苦しみや哀しみ、痛みを理解してあげることができますし、普段はあたりまえの日常に小さな喜びや感動を感じる豊かな心を学ぶことができるのです。

大きな哀しみや苦しみは、人生における大切なものを感じたり考えたりするための試練でございます。
この試練に向き合い、乗り越えたとき、生かされる素晴らしさを感じ、この上ない優しさと温もりの心をつかむことができるでしょう。
お子さまは、あなたの心の成長を願っているのですよ。

あの子の為にも、心をしっかりお持ちいただき、この試練に立ち向かう勇気を持ちましょう。

副住職 藤田晃秀 合掌


常光円満寺の水子供養は、あなたの愛と感謝のをお届けするお供養でございます。
皆様方の想い、そしてあの子の笑顔のために、これからも真心を込めて大切にお供養させていただきます。


■追伸
8月24日(金)は地蔵尊大法要(水子総供養)を厳修いたします。この法要は、年に一度のたいへん荘厳な法要でございます。
以前にお供養されたことのある水子さまだけのお申込になりますが、常光円満寺とご縁のある方は、是非この機会にお供養のお申込をお待ちしております。
※お申込はサイトより8月23日20時まで承っております
注:初めて水子供養を希望される場合は、【毎日の水子供養】にてお申込くださるようお願いいたします。

法要について詳しくは、以下をご覧くださいませ。

【PCサイト】 http://www.enmanji.com/jizougon.html

またご連絡くだされば、ご案内をお送りさせていただきます。
メールにてご住所とお名前をお教えくださるようお願いいたします。

【メール】 info@enmanji.com

サーカスの象は、足に“くさり”をつないで杭を軽く地面に打ち込むだけで、その場から動かなくなるそうなんです。

象の力なら、簡単に杭を外すこともできるし、逃げだすこともできるのに、まったく動こうとしないのです。

どうしてなのか。

それは、象が小さな子どもの頃に、教え込ませるからなんです。
“くさりをつながれると、動けない。”ということを。

子どもの象は、足にくさりをつながれていても、何度もくさりを外そうとするんです。

何度も、何度も…。
でも、外れない。
動けない。

そのうち、子どもの象は、杭を外そうとしなくなります。
“やっても無理だ”とあきらめてしまうのです。

こうして子どもの頃に“固定観念”を植えつけられた象は、大きくなっても杭を外そうとしません。
一歩踏み出せば、簡単に杭を外すことができるのに、その一歩を踏み出さないのです。


私たちも、このサーカスの象と全く同じ特性があるのではないでしょうか?

仕事、恋愛、家庭、さまざまな環境で失敗はつきものでございます。
しかし、過去の失敗や苦い経験から、前に進もうとしない方もいらっしゃることでしょう。

どうせ自分には無理だと、やる前からあきらめてしまっていませんか?

大切なことは、その固定概念を払拭すること。
一歩目を踏み出す勇気を持つことです。

可能性のない人なんて、この世にはいません。
輝けない人なんていなのです。

それに、あなたには、見守りくださる“清らかな存在”も応援してくださいます。

さぁ、自分の可能性を信じて、一歩目を踏み出しましょう!!