こうして、このブログをご覧になっているということは、見ることが叶わなかったお子さまでも、愛し、感謝している証拠でございましょう。

目に見えない魂に、親の愛情を捧げたり、感謝の気持ちをもたれるお心はとてもすばらしいお心でございます。

私たちは目に見えるものに対しては感謝の気持ちを持つことができると思います。
・彼女が食事を作ってくれた。
・彼氏がプレゼントをくれた。
その彼女や彼氏に対しては感謝することができるんです。

ところが、本当の感謝の心は、目に見えないものに対しても感謝するお心のことでございます。
あなたの目に見えないお子さまをも愛せる優しいお心で周りを見渡してみてください。
私たちは、目に見えないところで、いろいろなおかげをいただいて生かされていることに気がつきます。

私たちが普段食べているお米一粒にいたしましても、これは長い期間、手間隙かけて作る方がいらっしゃいます。また収穫したお米を運ぶ方や、売る方もいらっしゃいます。

私たちの目に見えるすべてのものは、ほんの氷山の一角で、ほとんどが実は目に見えないところで活躍された、多くの人々の苦悩や労力という支えの「たまもの」なのです。

そのような思いで周りを見渡すと、普段の生活で、当たり前に歩いている道路や、快適な住居も、その中の1つ1つに、目に見えない想像絶する人々の、すばらしい力がたずさわっているのです。

目に見えないお子さまを愛せる優しいお心は、実は私たちは、目に見えない多くのおかげをいただいて生かされていることに感謝する心につながるのでございます。

そのお心は、あの子からのお慈悲でございます。

生かされていることに感謝ができると、心が優しくなれます。
心が優しくなると、自然と笑顔が増えてまいります。
笑顔がふえると、周りも和やかな気持ちになります。

どうぞ、あの子からの贈り物はすべてあなたのことを想ってのことでございます。
あなたを誰よりも愛し、誰よりも幸せを願ってくださる、可愛い可愛いお子さまなのです。

決して無駄にしないようになさいましょうね。
「暗いニュース」を見ると見た人も暗くなりますが、「明るいニュース」は、人の心も明るくしてくれます。

明るい出来事や、嬉しい出来事は、暗い出来事以上にたくさんあるはずです。
私は、いっそのこそ「明るいニュース」ばかりをとりあげる局があれば、日本はもっと笑顔で満ち溢れるはずだし、元気を取り戻すのに、などとよく思っておりました。

そんなときに、ルーマニアでは、国を明るく、景気を良くするために、「暗いニュース」と同じくらい「明るいニュース」を放送する法律が、国会で全員一致で可決されたそうでございます。

まさしく、私の描いていた世界が、ルーマニアで実現されようとしているのです。

たしかに、国の強制がないと出来ないことに寂しさを感じますが、私は柔軟性に飛んだ、とてもすばらしい法律だと感じましたし、期待感に満ちてでおりました。

ただ、残念ながら「表現の自由の侵害」で違憲となり成立はしませんでした。


今は、100年に一度の大不況といわれております。
しかし、逆に考えると100年に一度しか味わえないチャンスでもございます。

好景気は、企業が伸びますが、不景気は、人が伸びるのです。

水子さまにとっては、きっと企業が伸びる好景気より、人が伸びる不景気のほうが喜んでくださると思います。

以前、サーフィンをされている方から、サーファー魂たるものを教えていただきました。
サーファーの方々は、波が来たら恐れるのではなく、波に自ら向かっていって、その波を楽しむのだと。

「どうせやってくる大波、にげてもにげてもその波は次々にやってくる。
だから、逃げるのをやめて、向かっていくんだ
はじめは何度もその波にのまれ、苦しむかもしれない。
しかし、必ずそこから学べ。そしてもう一度、波にむかってこいでゆけ。
すでに波に乗っている人はいっぱいいる。
その人たちはみんな挑戦者たちだ。
その挑戦者たちの話を聞き、ほんを読み、アドバイスをもらい自分を奮いたたせ自分のやり方で園波にむかっていくんだ。
忘れちゃいかんぞ、人間はなれの生き物だ。
だから必ず、その波の乗り方がわかる日が来る。」

困難に耐えるのではなく困難を楽しみましょう。厳しい環境ほど人は成長し、苦しい環境ほど感動がございます。

さぁ、不況の波に、楽しく乗りましょう。
私たちは、いろんな意味で逆境にあうことがあります。

病気になった。
彼氏(彼女)と別れた
会社をくびになった。
愛する人がなくなった。
事故にあった。
お腹の赤ちゃんとのお別れした。

そのときに考えていただきたいのは、仏さまは決してあなたが憎いこんな仕打ちをされた。そんな風に思わないでほしいのでございます。

こういう話がございます。これは脳の癌にかかられて、余命あと一年と宣告された方からのお話です。

『私は、癌になったとき、もう神も仏もあるものかと恨みました。しかし今になってようやく仏さまの心がわかるようになりました。
それまでは、仕事ばかりで、子供が起きる前に出て行き、会社から帰ると子供が寝ている、そういう生活をしていました。
しかし癌になったために、勤務が変わり、毎晩、家族一緒に食事をするようになりました。また、週末は、子供たちと一緒に遊ぶようになりました。

それまでは子供の寝顔しか見たことがなく、子供からいわせれば、お父さんなんか何もしらない。お父さんの顔なんかみたことないといわれて当然の生活をしていました。

しかし、癌になったおかげで、家族との絆が生まれました。

私が思い描く子供の顔は、寝顔から笑顔にかわりました。今は子供の得意なスポーツや、好きな食べ物もわかります。

もし、以前の私が交通事故などで死ねば、自分は子供たちの心に何も残らなかったと思います。しかし仏さまが、配慮してくださったおかげで、しっかり子供に想い出を残して死ぬことが出来ます。
今はこの癌をあたえてくださった仏さまに感謝しています。』


病気になっても病人として明るく生きておられる方もおいででございます。

金持ちがよくて貧乏が悪いと思ってらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、金持ちであるがゆえに家庭のトラブルを招いている方もいらっしゃいます。
金持ちイコール幸せではない。貧乏イコール不幸ではないです。

仏さまは、あなたはこの逆境に耐える力をもっているからこそ、試練をお与えくださるのでございます。それ以上に大切なものを与えるために・・・

それがわかった時、私たちは救いがあるのだと思います。
女性は、子供を産んだから「母」になるのではなくて、子供とともに学び、ともに成長し、少しずつ「母」になっていくのです。あなたの赤ちゃんは、天国という美しい世界にいて、私たちの目には見えませんが、お腹にいた時から今まであなたに多くのことを教えてくださったことでしょう。もちろん今も小さなメッセージをおくっておいでです。

 実際のお子さまとの違いは、住む世界が違うということと、仏さまのお心をもつ優しく思いやりのあるお子さまということです。育児には、悩みや苦しみはつきものですが、その1つ1つを乗り越えることで、優しくたくましい母に成長いたします。今もあなたは天国の赤ちゃんの母として成長しているのです。天国の赤ちゃんの子育ても、目に見える赤ちゃんの子育ても同じです。基本はしっかりと向かい合い、そして愛してあげることです。

 でも、目に見えないだけに、どのように愛してあげればよいのでしょう・・・。別に難しいことではございませんよ。まずは、あなたに似た、可愛らしい赤ちゃんの姿を想像してください。決してわがままなどいわない、とても素直で可愛い赤ちゃんです。澄みわたった青空のもと、色とりどりの花と緑に包まれた美しい世界で楽しそうに遊んでいます。ときどき、あなたに向かってにっこり優しく微笑んでくださいます。

 見ることのかなわなかった赤ちゃんであっても、すばらしい想像力により、この上なくいとおしく感じることができるでしょう。目に見えない赤ちゃんを愛することに戸惑いを感じるかもしれませんが、天国の赤ちゃんをも愛することのできる優しいお心は、あなたに与えられた長所でもございます。あなたにはそういった繊細な優しさと豊かな愛があることを誇りに思って良いのです。

 まずは、「ありがとう」と感謝の気持ちをお伝えください。「ありがとう」はあなたとあの子を結ぶ魔法の言葉です。次に、あの子を愛する素直なメッセージをお届けしてあげましょう。美しく感じた景色や、素敵に思った音楽など、ご自身の感動した出来事をお伝えしてあげても良いでしょう。

 人間ですから時にはいらいらしたり落ち込んだりすることもございますが、それは自然な感情です。天国の赤ちゃんは、お母さんの気持ちをちゃんとわかっておいでです。そんなことで赤ちゃんは悲しんだりなさいませんよ。そんなときは、ほがらかな笑顔で「お母さん、負けないで」と応援してくれます。

 あの子を想い、お祈りしていると、自然と、穏やかで優しいお心を与えてくださるでしょう。いままで感じることのなかった感動を教えてくださいます。天国の赤ちゃんを愛する心と、澄んだ心でこの世を見れば、あなたの周りには、愛すべき人々がいて、愛すべき自然があり、愛すべき出来事に満たされていることに気づくでしょう。これは、慈悲あるあの子からのプレゼントです。

天国の赤ちゃんの子育てには迷いや苦しみはつきものでございますが、決して目を背けたり、忘れたりしないで、しっかりと受け止めて乗り越えようとする勇気をおもちください。赤ちゃんを消すのではなく生かしてあげるのです。「愛」と「感謝」の祈りをつづければ、あの時のつらい出来事は、大切な思い出として少しずつ輝いてまいります。赤ちゃんを生かすとは、あなたのお気持ち次第なのです。

 常光円満寺では、毎年のお供養をお願いしておりますが、これは苦しいこと、哀しいことだけではなく、たくさんの感情を与えてくれた赤ちゃんに、「愛」と「感謝」のお祈りをしてあげる日になることはもちろん、あの子の母親として自分を見つめなおす良い日になるからです。

 天国の赤ちゃんの母親として、これからも素敵なお母さんとして成長し続けることを願っています。

今日は私の誕生日です。
私は幼いときから、父母の頑張る姿をみて育ってきました。決して裕福ではなかったけれど、信心深く子煩悩な父母は、いっぱいの愛情で包んでくれたように思います。

私は、誕生日とは、苦しみぬいて産んでくれた母や、働いて育ててくれた父に感謝する日であるべきだと思うのです。

今日、私は、父と母にワインを2本プレゼントしました。
「おかげさまで僕は35歳になりました。いままで苦労させたから、僕からの気持ちだよ。」って。
母の言葉は
「もう最期みたいなこといわないで」
でした。
でも母の目には、キラッと光るものがありました。

母は今日一日、とても楽しそうに、そしてとても嬉しそうに過ごしていました。
両親に少し恩返しできたような気がして、私も誕生日をとても幸せに過ごすことができました。


誕生の日は、母親が苦しみに耐え抜いた日でもあるのです

出産後も子育てに苦労し、そして苦労を重ねながらも一心に育ててくれたのです
ところが、わたしを含め、多くの人たちは、わがまま放題で、自分自身で大きくなったように錯覚し、親にそむき、親を悲しませてしまいます。
それでも親は、自分のことを愛してくれるのです。
親の愛は、男女の愛とは違い、見返りを求めない愛。
決して、感謝されることを望むのでもなく、無償の愛を捧げ続けてくれるのです。

私は自分が親になって、子育てがどれほど大変か、自分がどれほど愛されていたのかを、初めて気づきました。

だから、皆様方も、せめて誕生日は、両親に感謝の気持ちを伝えてほしい。
言葉にすることが恥ずかしければ、手紙にしてもいいと思います。

きっと、父母はとても感動してくれるし、自分自身も幸せな気分になれます。
心のプレゼントという何に変えがたいプレゼントをいただくことができます。
それに誕生日が両親に感謝する日になれば、年齢が1つ増える誕生日が嫌いなんてきっと思わなくなると思います。

あなたも、親に愛されて産まれてきたのです。

天国の赤ちゃんの親であれば、きっと、親の愛情がどれほど深く、どれほど素晴らしいものか実感していると思います。

あの子は、あなたに親としての愛情を教えてくれたのです。

親としての愛情、いつまでも大切にいたしましょうね。
私の人生を振り返ってみると。辛いこと、苦しいことがたくさんございました。

 ◆身体が弱くて、いつもいじめられていたこと

 ◆強くなりたいため、野球部に入部し、厳しい練習に耐えてきたこと

 ◆大好きだった当時18歳の従兄弟が、交通事故で亡くなったこと

 ◆僧侶になるために、過酷な修行に耐えてきたこと

 ◆23歳の時、血液の病気で、長い入院生活を過ごしたこと

 ◆入院中、200回以上、輸血をうけなければならなかったこと

 ◆抗がん剤治療で髪の毛がすべて抜け落ちたこと

 ◆骨髄移植をうけたこと

振り返れば、辛いことばかりですが、すべてのおかげで今の幸せがあるのだとつくづく感じます。

時には感情的になったり、人を恨んだり怒ったりすることもあった…
でも、時間が経ったり、幸せなことが起こるたびに、自然と人を許せるようになった…
苦しみを乗り越えるたびに、普段の生活の中で幸せを感じることが増えてきた…
この幸せは過去の苦しみおかげなんだと、感謝の気持ちにかわっていった…

私が皆様に伝えたいことは、「今の苦しみは無駄じゃないよ」ってこと。
苦しいことや悲しいことがあるから、幸せを幸せだと感じられるようになるのです。

だから今、はっきりと言えます。
「無駄な過去なんてない」
「すべては、この幸せにたどりつくために用意されていた出来事だったんだ」と。

私の人生の苦しみは、私にとって大きな学びでした。

赤ちゃんを亡くされる苦しみに比べると、私の苦しみなど、ほんの些細なものかと思います。
しかし、私は皆様方の苦しみや哀しみを精一杯受け止めて、前向きな気持ちになってくださることを心から願って毎日精進しております。

あなたの前向きな姿は、水子さまにとっての喜びにもつながるのです。

今、苦しみを学んでいる人がいると思います。
今、痛みを学んでいる人がいると思います。
今、自分の弱さを学んでいる人がいると思います。

それは未来のしあわせのために用意された出来事。

どうか、今しか学べないことを学んでください。
どうか、今しか感じられない温かさを感じてください。
どうか、今しか味わえない人生を楽しんでください。

どんなことも、未来を笑顔で過ごせるための、良き出逢い、良き出来事なのだから。

副住職 藤田晃秀