今日は「花まつり」でございます。

花まつりというと満開の桜の木の下で、みんなでおいしいお弁当を広げて花見をすること?
確かにそれも花を愛でる「花まつり」ですね。でもここでいう「花まつり」とは違います。

仏教でいう「花まつり」とは、4月8日にお生まれになったお釈迦さまの生誕をお祝いする日なのです。

お釈迦さまは、色とりどりの花に囲まれたルンビニーの花園で誕生されました。
あたりには、うつくしい音楽がひびきわたり、甘い香りの雨がふりそそぎ、お釈迦さまの体をきれいに洗い清めました。
するとお釈迦さまは、すっくと立ち上がり、七歩あゆまれ、天と地を指さされ「天上天下唯我独尊」(てんじょうてんげゆいがどくそん)と言われたのです。四月八日のことでした。

この言葉を直訳すると「天にも地にも世の中で自分ほどえらいものはいない」という意味になりますが、そういう意味ではございませんよ。

それでは、本当はどういう意味なのでしょうか。26歳の若さで亡くなった天才童謡詩人、金子みすずさんの有名な詩に次のようなものがあります。

 『私と小鳥とすずと』

‘わたしが両手をひろげても お空はちっともとべないが とべる小鳥はわたしのように、地べたをはやくは走れない わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど、あの鳴るすずはわたしのようにたくさんな歌はしらないよ。
すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい’

お釈迦様のいう唯我独尊とは、この世の中で、みんなそれぞれにお互い自分というのは、かけがえのない尊い存在であり、かけがいのない尊い命であるということです。

‘みんなちがって、みんないい’

人間だけでなく、動物も虫も植物も物もお互いにみんなそれぞれ尊い存在です。お互いの違いを認め理解し合うことが大切なのでございます。時間もそうですよね。例えば「10年に1度だけ」などというと、とても貴重なめずらしい日に感じられますが、今日(2013年4月8日)という日も、未来永劫でたった一日だけの貴重な日でございます。

かけがえのない時間、かけがえのない自分。まわりの皆様もかけがえのない方々。かけがえのない物、すべてそれぞれ大切な尊いことなのですよ、という意味が「天上天下唯我独尊」という言葉に込められているのです

もちろん、あなたにとってお子さまはかけがえのない存在でございましょうし、お子さまにとっても、あなたはかけがえのない存在でございます。

「天上天下唯我独尊」

そのお心を大切にしましょうね。

合掌

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