女性は、子供を産んだから「母」になるのではなくて、子供とともに学び、ともに成長し、少しずつ「母」になっていくのです。あなたの赤ちゃんは、天国という美しい世界にいて、私たちの目には見えませんが、お腹にいた時から今まであなたに多くのことを教えてくださったことでしょう。もちろん今も小さなメッセージをおくっておいでです。

 実際のお子さまとの違いは、住む世界が違うということと、仏さまのお心をもつ優しく思いやりのあるお子さまということです。育児には、悩みや苦しみはつきものですが、その1つ1つを乗り越えることで、優しくたくましい母に成長いたします。今もあなたは天国の赤ちゃんの母として成長しているのです。天国の赤ちゃんの子育ても、目に見える赤ちゃんの子育ても同じです。基本はしっかりと向かい合い、そして愛してあげることです。

 でも、目に見えないだけに、どのように愛してあげればよいのでしょう・・・。別に難しいことではございませんよ。まずは、あなたに似た、可愛らしい赤ちゃんの姿を想像してください。決してわがままなどいわない、とても素直で可愛い赤ちゃんです。澄みわたった青空のもと、色とりどりの花と緑に包まれた美しい世界で楽しそうに遊んでいます。ときどき、あなたに向かってにっこり優しく微笑んでくださいます。

 見ることのかなわなかった赤ちゃんであっても、すばらしい想像力により、この上なくいとおしく感じることができるでしょう。目に見えない赤ちゃんを愛することに戸惑いを感じるかもしれませんが、天国の赤ちゃんをも愛することのできる優しいお心は、あなたに与えられた長所でもございます。あなたにはそういった繊細な優しさと豊かな愛があることを誇りに思って良いのです。

 まずは、「ありがとう」と感謝の気持ちをお伝えください。「ありがとう」はあなたとあの子を結ぶ魔法の言葉です。次に、あの子を愛する素直なメッセージをお届けしてあげましょう。美しく感じた景色や、素敵に思った音楽など、ご自身の感動した出来事をお伝えしてあげても良いでしょう。

 人間ですから時にはいらいらしたり落ち込んだりすることもございますが、それは自然な感情です。天国の赤ちゃんは、お母さんの気持ちをちゃんとわかっておいでです。そんなことで赤ちゃんは悲しんだりなさいませんよ。そんなときは、ほがらかな笑顔で「お母さん、負けないで」と応援してくれます。

 あの子を想い、お祈りしていると、自然と、穏やかで優しいお心を与えてくださるでしょう。いままで感じることのなかった感動を教えてくださいます。天国の赤ちゃんを愛する心と、澄んだ心でこの世を見れば、あなたの周りには、愛すべき人々がいて、愛すべき自然があり、愛すべき出来事に満たされていることに気づくでしょう。これは、慈悲あるあの子からのプレゼントです。

天国の赤ちゃんの子育てには迷いや苦しみはつきものでございますが、決して目を背けたり、忘れたりしないで、しっかりと受け止めて乗り越えようとする勇気をおもちください。赤ちゃんを消すのではなく生かしてあげるのです。「愛」と「感謝」の祈りをつづければ、あの時のつらい出来事は、大切な思い出として少しずつ輝いてまいります。赤ちゃんを生かすとは、あなたのお気持ち次第なのです。

 常光円満寺では、毎年のお供養をお願いしておりますが、これは苦しいこと、哀しいことだけではなく、たくさんの感情を与えてくれた赤ちゃんに、「愛」と「感謝」のお祈りをしてあげる日になることはもちろん、あの子の母親として自分を見つめなおす良い日になるからです。

 天国の赤ちゃんの母親として、これからも素敵なお母さんとして成長し続けることを願っています。

COMMENT

ありがとうございます.元気をいただきました.
hiro 2009/06/15(月) 00:30 EDIT DEL
おととしの11月、別のお寺で供養をしましたが、
そのお寺の住職さんに責められたり、
先日もお参りに行った帰り道で壊れてしまいそうなくらいひどい目に遭ったり、
当たり前だけど私は子供に嫌われているのだなと痛感していました。

副住職さんの文章で、愛す気持ちが足りなかった事がわかりました。
なぜなら、私は心からその子を子供だと認めていなかったのです。
お経も、写経も、おみやげも、気持ちを込めて子供を愛しみます。

本当にありがとうございました。
今週末、感謝をし、愛を込めて花束を持って行きます。
ナツ 2009/07/08(水) 01:59 EDIT DEL
私は、赤ちゃんを中絶させてしまいました
なな 2009/10/03(土) 22:13 EDIT DEL
凄く勇気づけられました。

ありがとうございます★

お寺での供養はまだして

居ませんが落ち着いたら

行きたいと思います
ゅか 2009/11/15(日) 12:49 EDIT DEL
死んだらあの子に逢えますか?
死んだらあの子を私達は抱きしめてやれるのでしょうか?
私達はあの子を抱きしめた後、地獄に逝かねばなりません。せめて地獄へ逝く前にあの子を抱きしめ詫びたいのです。死ぬのは怖い。でもあの子と逢えるなら死ぬ事にすら意味がある。
今を生きてる子供達との私の一生を終えた後、あの子に逢えないのなら、私は死ぬ事すら意味をなさないのです。逢えるなんて誰も言ってはくれません。でも誰かに言ってもらいたいのです。
ともよ 2012/04/27(金) 00:36 EDIT DEL

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